ひとくちに温泉といっても、宿や施設で使っている源泉にはいろんな種類があります。 集中管理温泉 大規模な有名温泉地では、温泉資源の保護のために、湧出量の多い有力ないくつかの源泉だけを残して、組合で管理運用していることが多くなっているようです。 源泉から採取したお湯を、あらかじめ一カ所にまとめて貯湯しておき、各施設の契約量に応じて配分しているのです。使われずに余ったお湯は再び帰ってきて、また貯湯しておきます。 この場合、宿による泉質の違いはありません。基本的にどの宿も同じ泉質です。お湯の管理を各宿でやるのは大変なので、その手間を省いて、内装や料理に重点を置ける、と経営者には好評のようです。 配湯と引湯 豊富な湧出量の源泉をどのようにして配分し、お湯を引いてきているかで、同一源泉の宿でも大分変わってきます。ガイド誌でも、温泉地の詳細な地図がのっているときには、源泉地がマークされていることがあるので、要チェックです! 源泉地に近い宿ほど、新鮮なお湯に出会える確率は高くなります。最近は配湯管の性能が向上したので、かなり長距離を引湯してもほとんど温度や成分の変化は起きないようになっています。が、なかには古い方法で引湯していることがあり、末端ではまるで源泉とは違うお湯に変貌していることが無いとは言えません。 源泉地がどこかわからないときなどは、共同湯を目安にしましょう。古くからある共同湯は、源泉の直近に建てられていることが多く、周辺の宿に配湯していることが多いです。万一、宿のお風呂が×でも、共同湯で取り返せますから、この点でも安心です。 自家源泉(独自源泉) 宿自身が独自の源泉を所有している場合、これはお薦めです。とくに、浴室内やすぐ脇に源泉があって、新鮮なお湯が投入されているときなど、泉質の違いを超越したお湯の浴感があります。 では、WEBにもパンフにも書いていないとき、どうやって見つけたらいいのでしょう?それは、まずはお風呂の写真です。浴槽の底や側壁が自然の岩盤のときは、適温の自然湧出泉ですので、文句無く「買い」です。 いくら新鮮な源泉を使っていても、浴槽での使用法を誤ると台無しです。最近はガイド誌でも文章中にこの点をコメントしていることが多いので、じっくりと読んでみましょう。 源泉のまま 何の手も加えずに浴槽に投入している場合です。複数の浴槽があるときでも、そのうち1カ所だけでも源泉のままの浴槽があると、これはうれしいものです。 源泉100% 加水で温度調節や増量をしないで使用しているものです。源泉のまま、と似ていますが、循環のこともあるので注意です。 掛け流し 投入する湯量が豊富で、浴槽から溢れ出している状態です。常に新しいお湯に触れられるので、泉質こだわり派が最も重要です。ガイド誌には書いていなくても、浴槽の写真を見ればそれらしいのは何となく分かります。1)洗い場の床が濡れていること、2)洗い場の床が析出物で変色していること、3)浴槽にめいっぱい湯が溜まっていること、4)浴槽の縁に排水用の溝が切ってあること、このいずれかです。ただし、保証はしかねます。 加熱 冷鉱泉や低温泉では、浴用にするには当然加熱しなければなりません。これはやむを得ないことなので、沸かし湯だからダメ、とめくじら立てるほどのことではありません。ただし、非加熱のものに比べるとガス成分の散逸はまぬがれないので、浴感や香りが減少するのは致し方ないところです。 加熱浴槽と源泉のままの冷浴槽の両方あれば、冷温交互浴っていうなかなか粋な方法もあります。夏ばてのときはすっきりします。冷え症の方にも良い効果があるようです。 温泉の選び方についていろいろとご紹介しましたが、分らないような事があったら、直接宿に聞いてみるのが一番です。引き湯で循環でも、丁寧に応対してくれるのは大体良い宿です。それと承知で行けば後悔はしません。逆に、そっけなく教えてくれないのは、お湯がどうのという以前に接客姿勢の問題ですから、避けるにこしたことはありません。 でも、こちらの態度も重要です。夕食時の忙しい時間帯や、チェックイン・アウト時に電話しても充分応対できないのは当然です。また、きちんと名前も言わず、いきなり用件から切り出すのも失礼なことです。 Last update:2018/5/31
温泉街の中心から離れて、広大な敷地や高台の展望などを売り物にしている宿に、こういったものが多い傾向があります。
最近のガイド誌や温泉地公式WEBサイトでは、独自源泉を持っているかどうか書いてあるものもあるので、参考になりますよ。
次に宿の全景写真です、メンテ用の井戸櫓が写っていることがあります。詳しく知りたいのであれば直接問い合わせてみるのもいいでしょう。
個人的に、湯河原にある接客が丁寧なこちらの旅館に時々お世話になりますが、とても居心地がいいです。
宿に入るまではまだ客ではないのですから、そのへんはきちんとお忘れなく!recommend